眼科に通院されている方の中には、数種類の目薬を処方されている方も多いのではないでしょうか。
今回、これまで使っていた「ミケルナ配合点眼液」に、新たに「ヒアルロン酸Na点眼液」と「レボフロキサシン点眼液」が追加され、計3種類を使用することになった患者さんがいらっしゃいます。
医師からは特に順番の指定がなかったとのことで、お薬お渡し時に点眼順序をご説明しました。
一般的な点眼の基本ルール
目薬をさす順番には、基本となる考え方があります。
粘度の低いものから順にさしていきます。
1.水溶性点眼液(多くの種類が出ています。さらっとしたタイプ)
2.懸濁性点眼液(「点眼時よく振ってください」と記載がある場合が多いです。)
3.ゲル化点眼液(「緑内障・高眼圧治療薬や一部の抗菌点眼薬」があります。粘度があるタイプ)
4.眼軟膏(指で塗るタイプの軟膏)
粘度の高い薬を先にさしてしまうと、後からさす薬がうまく吸収されなかったり、流れてしまったりするためです。
今回の処方における点眼順序
【2剤併用時(朝・昼・夕)】
1.ヒアルロン酸Na点眼液
(5分以上間隔を空ける)
2.レボフロキサシン点眼液
【3剤併用時(寝る前)】
1.ヒアルロン酸Na点眼液
(5分以上間隔を空ける)
2.レボフロキサシン点眼液
(10分以上間隔を空ける)
3.ミケルナ配合点眼液
特に注意が必要なのが、最後にくる「ミケルナ配合点眼液」です。これはゲル化する点眼液で、添付文書には次のように記されています。
「本剤は眼表面でのカルテオロール塩酸塩の滞留性向上及び持続性発揮のためアルギン酸を添加している。そのため、他の点眼剤との併用時には、本剤が他の点眼剤の吸収性に、あるいは他剤が本剤の持続性に影響を及ぼす可能性がある。したがって、他の点眼剤との併用にあたっては、本剤投与前に少なくとも10分間の間隔をあけて、本剤を最後に点眼すること。」
つまり、他の目薬がミケルナの効果を弱めてしまったり、逆にミケルナの成分が他の薬の吸収を邪魔したりするのを防ぐため、10分以上の間隔を空けて、最後にさす必要があるのです。
ミケルナ配合点眼液をさした後は、1~5分間目を閉じ、目頭(涙嚢部)を指で軽く押さえてください。 これをすることで、薬が目の表面にしっかり留まり効果的な使用が期待できます。
「ヒアルロン酸Na点眼液」と「レボフロキサシン点眼液」の順番
「ヒアルロン酸Na点眼液」と「レボフロキサシン点眼液」は、どちらも水溶性点眼液です。
使用する順番については、 同じ分類の目薬を使用する際には、「より効果を期待したい点眼液を後に」や、「涙液のpHに近いものを先に」といった考え方があります。
pH値は、
・「ヒアルロン酸Na点眼液」6.0~7.0(ヒアルロン酸Na点眼液0.1%/0.3%、メーカーによる一例)
・「レボフロキサシン点眼液」6.1~6.9 (レボフロキサシン点眼1.5%、メーカーによる一例)
と、どちらも大差ありません。
「より効果を期待したい」という意味で、抗菌点眼液を後に点眼することを選択しました。患者さんは1週間後、状態を確認してもらうために受診予定とのことでした。
ただし、順番が変わっても、しっかり決められた間隔をとればそれぞれの効果に影響を与えないといった考え方も耳にします。
もちろん順番を意識することは非常に大切ですが、毎日決められた回数を継続して使用することもとても大切です。
なお、医師から意図した目的のために指示が出される場合もあります。その場合は指示に従ってください。
薬局長